はじめに 〜市町村合併で富山市にスキー場が〜

我等が富山県富山市は、平成17年3月までは平地と若干の丘陵地帯だけの平凡な地方都市でした。当然、スキー場は全く無かったのですが、同年4月1日の大合併で巨大な面積と恐るべき標高差を誇る?「類稀なる歪な市」となりました。 何と富山市の隣は岐阜県飛騨市・長野県大町市になってしまったのです。日本海は富山湾に面するので最低地点は海抜ゼロメートル、最高地点は北アルプス水晶岳の2986m。 ついでに申しますと日本百名山は、この水晶岳に加え、薬師岳(2926m)、鷲羽岳(2924m)、黒部五郎岳(2840m)と四座も有することになりました。 そして山岳地帯の町村にあったスキー場を5つ(06-07から極楽坂とらいちょうバレーが一本化、4つに)も抱えることになってしまいました。 これらのスキー場、雪質は長野の標高の高いゲレンデには劣りますが、混み具合・食事の安さではどうみても富山の勝ち、県外からいらしても絶対に後悔しません。しかも全スキー場にもれなく素晴らしい温泉が付いています。一度来て見て滑ってください。 しかし本音は、うれしいようで悲しく、スキーやスノーボードをしない市民にとっては迷惑な話で、富山市からの税金投入は間違いなく・・・、 全国の皆さんに是非とも遊びに来て頂いて沢山のお金を落としていって欲しいのです。何としても富山市のスキー場に遊びに来て下さい。

◇新富山市内のスキー場までのアプローチ(詳細は各スキー場のホームページをご覧下さい)

1)旧大山町の立山山麓スキー場(
粟巣野/立山山麓スキー場 極楽坂らいちょうバレー
 富山市街から自動車で40分程度、富山地方鉄道立山線+シャトルバスあり
2)旧大沢野町の猿倉城址公園スキー場
 富山市街から自動車で30分程度
3)旧山田村の牛岳温泉スキー場
 富山市街から自動車で40分程度

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立山山麓 粟巣野スキー場  公式HP

小粒ながらもピリリと辛い、競技&技術志向、深雪も豊富なスポーツゲレンデ。

■概要
昭和35年(1960年)開業、粟巣野観光開発(地鉄グループ60%・地権者40%出資)が運営する現富山市エリア最古の老舗スキー場であったが経営破綻し、2002年からNPOあわすのが運営している。リフトが2本、コースも最長1Km弱、標高も低く、観光資源とての価値は高くはない。 しかしながら技術追求の基礎チーム、競技志向のレーサー達が多く、県内では異色のムードがある。 テレマークスキーヤーも多い。また粟巣野のボーダーはマナーも技術も素晴らしい(気がする)。

■ゲレンデ
◇下部ゲレンデ
短いけれどまったくの初心者にも優しい緩斜面
中上級者もボーゲンで基本のチェックにはもってこい
そり専用のコースとサンキッドなる自動歩道もある。
◇上部ゲレンデ
下から見て右は中斜面主体で緩急ある整地(写真上)
カービングや大〜中〜小回りと練習に適。ポール可。
左は不整地急斜面で乱・コブ・深雪で腕試し(写真下)
上部は午後からアイスバーンになる部分あり、注意。


練習例
◇上部整地
上から見て右側で小回り。左側なら大回り。
細くなって右に曲がる途中の若干の急斜面の落下感がなかなか良い
不整地側との合流点に向う中斜面で中回り
ラストは小回りか大回り
◇上部不整地
不整地&急斜面の練習である。ひたすら滑る。深雪はお世辞にも軽くない。

■食事
どの食堂も驚くほど安い。長野のメジャーゲレンデの半額である。これが富山の良心(2007年以降はそうでもないかもしれない)。 平井山荘のカレーが無難でかつ早く出てきます。休む時間も惜しい人にぴったり。 リフト券売場、レストラン、休憩所を兼ねたミレットは禁煙なので嫌煙家やファミリーにはうれしい。

■その他
ナイター営業は無し。駐車場がやや乏しく、ジュニアのレース等イベントのある日は早めに出かけないとシーズン券を持っていても滑られないと言う洒落にも冗談にもならない事も起きてしまう。

※立山山麓共通情報、温泉がとても多い。粟巣野には厚生年金のウェルネス富山、極楽坂・ゴンドラ近辺で立山国際ホテル、第一荘、 立山駅周辺ならグリーンハイツ、有峰口で亀谷温泉の白樺ハイツ、林業試験場に隣接する吉峰の湯などなど、立ち寄り湯が充実している。

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立山山麓スキー場(極楽坂、らいちょうバレー)  公式HP

06-07シーズンより、らいちょうバレーと極楽坂の経営が1本化、両エリアとも大山観光開発が運営することになった。名実ともに北陸最大のスキー場誕生(赤字も最大?)。ゲレンデ名は08-09年度以降に公募とのことであったがどうなったのやら…。

◆極楽坂エリア

■概要
 昭和39年(1964年)開業、運営は3セクの大山観光開発、現富山市内では粟巣野に次ぐ老舗である。通称ゴクラク(斜面は決して楽ではない)。富山県はもちろん北陸で最大規模のスキー場。主要な大会が県内では最も多く開催されている。国体やインターハイ会場にもなった。ジャンプ台もある。ノンストップで約2.5Km滑走可能(かな)? 上部からの景色は抜群。富山平野、富山湾、能登半島が望める。かつて第3と第2の間のカベは40度ほどもある名物的存在であったがピステンが登れるように削られて30度無いくらいに緩くなってしまった。全般に上級者向けの急斜面が多く、雪質が良くない日には「何ちゃって上級者」は化けの皮を剥がされるので注意(自分のことだよ!)。

■ゲレンデ
◇ファミリーゲレンデ(旧第1ゲレンデ・第1クワッド沿いの最下部)
唯一の初心者〜初級者向けコース、ナイター営業あり(写真下)07-08シーズンに第1クワッドリフト竣工、リフト待ちがかなり緩和された。
◇ロマンスコース(旧第2ゲレンデ・高速クワッドリフト沿い・何故ロマンス?)
昔は専用のリフトがあり中級者にぴったりだったが・・・現在は迂回路があるものの中級者には出だしがややつらい。 中盤以降は変化ある中斜面が続き楽しい(写真上)
◇ジャイアントコース(旧第3ゲレンデ・第3ペア沿い)
幅が広く多少うねりのある楽しい急斜面、昔は圧雪しなかった。下から見て右手とリフト直下の新雪がいい。
◇エキスパートコース(旧国体Aコース・第9ペア沿い)
昔は極楽坂最難コースであったが今は上部にジグザグの道路ができてやや興醒めの状態。 終盤の左に回る部分の急斜面を落下するのはとても気持ちがよい。
◇チャレンジコース(旧国体Bコース・第8ペア沿い)
下部の急斜面はアイシーで転ぶと止まらない。今はここが最大難所にも感じられる?
◇アルペンコース(旧金山ゲレンデ・リフトの支柱だけが残っている。)
圧雪しない豪快なゲレンデであったが、06-07シーズン、ついにゲレンデ案内から消えてしまった。

■その他
雪不足だと露岩が多いので注意。積雪は170cmあれば安心。イオックスや牛岳温泉もいいけれど、やっぱりここが富山県のスキー界の中心である。金山ゲレンデは上手くアピールすれば名物になると思うのだが。食堂はあわすの同様安い。味は期待しないこと。

◆らいちょうバレーエリア

旧らいちょうバレースキー場(元・県営ゴンドラスキー場) 旧HP http://www1.coralnet.or.jp/sanreku/(閉鎖…www.archive.orgあたりでどうぞ)

■概要
昭和52年(1977年)開業、当初の名称は『富山県営ゴンドラスキー場』、その後『らいちょうバレースキー場』と改めた富山県営の大赤字スキー場であったが、2006/7シーズンついに富山市に譲渡(と言うより押し付けである)。運営は極楽坂と同じく大山観光開発(…大山町⇒富山市の第三セクター)となった。 06-07シーズンから『立山山麓スキー場・らいちょうバレーエリア』の名で営業。県内で初めてゴンドラを使ったことから当初は「ゴンドラスキー場」というシンプルな名前で、通称もゴンドラで「ゴンドラ行くけ?」などと誘いあったものだが、今はどうなんだろうか。 上部で極楽坂エリアと連絡している。極楽坂よりは斜面がややおだやかでファミリーやスノーボーダーはこちらのほうが多い。景色は極楽坂よりもさらに良い。立山や白馬岳も眺められる。

■ゲレンデ
◇ユートピアゲレンデ下部
初心者向けの広いゲレンデ。リフトは2本に減った。しかしリフトの乗り場が問題である。宿やレストランでメシを食うと、小さな子供にはしんどい距離を登らねばならないのである。小学校中学年以上ならば問題無い、運動不足の中年にもつらい。
◇ユートピアゲレンデ上部写真上
恐らくここがメイン斜面?なのか。シングルリフトがペアに掛け代わったがゴンドラ利用者が多い様だ。出だしは広い中急斜面で、空いていたら高速カービングでかっ飛ばせる。下部には短いけれど不整地が用意されており上級者の見せ場。初級者には迂回路あり。
◇パラダイスゲレンデ
出だしのだらだらとしたアプローチがややイヤだがそこは景色を楽しもう。 その直後のすり鉢状の急斜面は素晴らしい。取り付きすぐの急斜面は落下大好き人間には舌なめずりの斜度である(滑る人は少ないけど)。極楽坂側のコブ斜面はモーグルの公認大会がある。これらに続く中急斜面は検定バーンになる。ここは高速カービングの見せ所。
◇パノラマコース
06-07シーズンのゲレンデ案内から消えた。経営効率のためのリストラ実施と思われる。以下、仮に07-08シーズン以降も滑られるとしたらの情報。 圧雪しないので上級者コースと言われるが、中級者でも問題なく滑走できる。初級者は止めたほうがよい。ゴンドラと交差するあたりが狭くてコブができる。慎重に滑られたい。

■その他
06-07から営業リフトがかなり減っている(上部極楽側ペア、下部極楽側シングル)ので、昔のつもりで滑り降りると登りを強いられる。注意されたい。ゴンドラは夏季も営業しパラグライダー愛好家が一年中集う。立山パラグライダースクールの創設者はパラグライダーの世界的名アスリート扇澤郁さんである。

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牛岳温泉スキー場  公式HP

初心者も2km以上のノンストップナイターが楽しめる。ICSでオープン早し。

■概要
昭和46年(1971年)、旧山田村直轄運営のスキー場として開業。市町村合併により富山市直営のゲレンデとなった。週末、富山平野に牛岳のナイターがくっきりと浮かぶ。富山の冬の風物詩である。レイアウトは初中級向けの広々としたロングコースと別の尾根にある上級者コースに分かれていたが、06-07シーズンから上級者コースはクローズとなった。魅力は何と言ってもナイターだ。標高が低くても夜は気温が下がり雪が締まって良く滑る。ゲレンデ上部から眺める立山連峰の夕景、空気が澄んでいれば槍穂高まで見渡せる。そして富山平野の夜景、その向こうの富山湾に浮かぶ漁火も素晴らしい。

■ゲレンデ
◇セントラル
牛岳のメインゲレンデ。とにかく広い。初級者にも楽々のロングコースである。ゲレンデ一気通貫の高速クワッド、上部の高速ペア、下部のペアとレイアウトも良い。シーズン初めのICSは下部のペア沿いのみ、ナイターは全面となる。なお、緩〜中斜面が続くので腕前以上にスピードを出すスキーヤー/スノーボーダーが少なくない。衝突されないよう気をつけよう。
◇ユートピア
ロープウェーで結ばれた牛岳唯一の上級者ゲレンデであったが、2006-07シーズンからロープウェー運行中止で事実上のクローズ。富山市が財布の紐を握る以上、営業再開はまず見込めない。ユートピアゲレンデからは北アルプスの眺めは素晴らしかっただけに残念。

■その他
イオックスアローザに、ナイターゲレンデNo1の座を奪われた感じもするが、旧富山市から自動車なら40分で行ける便利さは魅力だ。 宿泊パックは設置日によって信じられないくらい安い料金となる。家族連れは公式HPを要チェックである。 リフト券には時間券がある。旧富山市内で昼食を食べてからゆっくりと出かけ2時頃から5時間券でナイターまで滑るのがオススメだ。リフト券はセゾンクラブなどで割引が効くはず。 食事は下部のロッジとセントラルゲレンデトップで取れる。値段は立山山麓と同等でお安いが、味も同様に期待しないこと。帰りは温泉、定番はゲレンデ内の宿やちょっと下った牛岳健康温泉である。僅かに高くても良いなら山田村内の玄猿楼が良い。源泉100%の夢殿はとても温まる。

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猿倉城址公園スキー場  

2009-2010シーズンが最後の営業となる模様。設置から35年、老朽化したシングルリフトを架け替える予算も見合う売り上げも無し。雪さえあれば平日も毎晩ナイター三昧の闇トレ道場!!でした・・・残念。

■概要&ゲレンデ
昭和40年(1965年)、旧大沢野町直轄運営のスキー場として開業、現在は牛岳温泉とともに富山市が運営する。神通川が富山平野に顔を出す猿倉山山麓がゲレンデ、標高は平地とほとんど変わらない小さなスキー場である。正式名称は猿倉城址公園スキー場だったはずだが、最近は猿倉山スキー場で通っている様だ。コースは1本。リフトも1本。しかも300mのシングルリフトだ。しかしそれでも猿倉は平日のナイター営業がある魅力的スキー場だ。牛岳温泉のナイターは金〜日曜のみだが猿倉は雪さえあれば毎日である。平日の営業時間は16時から21時。旧富山市内からは30分かからない近さである。 休日の昼は完全なファミリー雪遊び場であるが、平日夜に行くと全く異なる光景となる。真剣な顔で練習に取り組むスキー馬鹿ばかりになる。技術選に出るレベルのスキーヤーもいる。自分もかつて一級受検にそなえネクタイしたままジャケットを着て練習していた。今思い出しても本当に馬鹿である。 平地と変わらない生あたたかい(笑)夜風に揺られながらリフトに乗る。リフト上で300Mの練習をイメージする。リフトを降りて富山の夜景に一瞬見入る。自分がスキー馬鹿であることを情けなくも実感しつつ滑走する。この繰り返しである。

■その他
温泉は近くに春日温泉郷があり、中でも「ゆーとりあ越中」は露天風呂が気持ちよくてオススメだ。ただし日帰り入浴は19時までに入らなければならないのでナイターのあとは無理。旧細入村の楽今日館も近い。

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富山でのスキー&観光で注意すべきこと   方言参考ページ

交通とそのマナーと言葉に注意! 写真はラブリーならぬバブリーな市庁舎(展望塔は体験すべし)

■交通
スキー場までの公共交通機関は立山山麓の3つのゲレンデを除いて恐ろしく貧弱です。牛岳温泉はバスが動いていますが、数時間に数本の厳しいダイヤです。猿倉はJR笹津駅から急登30分?と絶望的です。この2箇所は基本的にマイカー前提になります。当然、スタッドレスタイヤが必要です。 マイカーが無い場合は立山山麓でほぼ決まりです。富山地鉄立山駅まで電車に乗り、そこから各ゲレンデにシャトルバスがあります。もちろん各宿からの送迎もありです。

■マナー
はっきり言ってドライバーのマナーはイナカモンです。まず、気をつけねばならないのが歩行者であるときです。信号の無い横断歩道を渡ろうとする歩行者が居ても、富山のドライバーはまず停まってくれません。イナカでは車のほうが歩行者より偉いのです。轢かれないようにご注意願います。さらに、ドライバーは総じてウィンカーを出すのが遅いです。下手するとウィンカーなしで車線変更・停止発進します。 これまた気を付けて下さい。

■言葉
初めて富山を経験する人にとって言葉は恐ろしいものです。郡部、特に新川地区と海岸沿いの人々の言葉は「意味も無く怒っている」様に聞こえます。 でも、あれで普通なのです(もしかしたら本当に怒ってるかもしれないけど)。それから「あんた」と言われると日本全国的には冷めた言い方なのですが、北陸地方では 親しみを込めて「あんた」と呼びます。あらかじめご理解の上、どうか気を悪くせず、基本的にはシャイで気のいい富山人とお付き合いくださいませ。



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