『第2回富山湾岸ウルトラマラニック・100kmコース』 2010年6月18日(金)〜19日(土)

6月18日金曜夜23時過ぎ、新潟県糸魚川市のJR市振駅を出発。翌土曜15時過ぎ、富山石川県境を越えて石川県七尾市に到着。富山県の海沿い約100kmを東側から完全走破した「第2回富山湾岸ウルトラマラニック・100kmコース」の記憶をまとめてみた。

※文中の年齢は開催当日のもの。


■(0)受付と市振への移動
6月18日(金)21時過ぎ、家内に富山駅北口へ車で送ってもらう。予報通りに小雨が降っていた。21時半には100km50km15kmに参加するほぼ全員が揃っていた。輸送ボランティアのyoshieさんが到着し、JUNKさんを除く全員が受付終了。さあ後は走るだけである。100kmを走るJNさん(49才)、TETEさん(48才)、自分(47才)は21時50分の列車でスタート地点の新潟県糸魚川市にあるJR市振駅に移動である。皆で記念写真を撮り、手を振って改札へ。狙ったわけでも無いが、他の距離での参加者に見送ってもらえることになった。ゲストのBuさんや、今回参加できないゆきおさん、HASさんも送りに来てくれた。週末の最終列車なので混雑を予想したが意外に空いており、3人でBOX席2つを確保できた。車内で仮眠するつもりであったが、100kmの距離や夜道天候もろもろの不安と期待で軽い興奮状態。車窓を流れる街灯を眺めつつ、雨具やヘッドライトの点検にプチカーボロードで過ごす。列車はあっと言う間に県境を過ぎ、23時前にJR市振駅へ到着。いよいよ100kmの旅のスタートである。


■(1)第1ステージ 市振駅〜入善町風力発電所 15km地点
小雨は新潟でも降っており、JR市振駅構内で3名とも合羽を羽織る。JNさんと私はヘッドライト、TETEさんはハンドライトを装備する。23時2分に国道8号線の海側の歩道から走行開始。昨年の第1回富山湾岸UM65kmでは暑いくらいの好天であったが今夜は小雨のせいで肌寒いくらいである。ヘッドライトのLEDに照らされ、雨が破線状となって何とも不思議な空間を作り出す。県境まではほんの1.5kmであるが、道沿いには長岡ナンバーの車が停められており新潟県であることを実感。境川を越えて富山県朝日町に入り、国道と別れて境市街へと入る。まだ23時過ぎであり、家々の暖かそうな灯りと雨の中を走る馬鹿な3人が何とも対照的である。一旦8号線と合流した後、すぐにJRの踏切を渡ってヒスイ海岸のキャンプ場前へ。宮崎市街で5km地点。やっと5%だけ走った(笑)。海岸線に出ると富山方向からやってくる自動車に度々ハイビームで照らされる。ドライバーからするとさぞかし怪しい3人だろう。JNさんが笑いながら「職質何度受けますかね」と仰ったので「3度くらいはあっても平気です」と返す。あさひ総合病院前から朝日町中心部に向かい1回目の休憩地点である約10km地点のJR泊駅に着くと既に日付は変わっていた。夜行の急行が停車するのか泊駅はまだ灯りが点いていた。小用と給水を済まし出発。入善町に入って間もなく雨が本降りになってきた。15kmのチェックポイントである風力発電所に着く頃には土砂降り状態で、まだまだ先は長いのに3名ともシューズも足もずぶ濡れであった。


■(2)第2ステージ 〜石田フィッシャリーナ 30km地点
海岸沿いの国交省管理道路は街灯皆無。ヘッドライトとハンドライトを頼りに走ったが、沢山の水溜りに何度も何度もシューズを水没させてしまう。仕方なく比較的状態の良い防潮堤海側の道路に移動。2度ほど釣り人らしき自動車とすれ違うも海は漆黒、某半島国家の工作員に拉致されてもおかしくない状況で、男3人でも心細い。3人とも昨年一緒に65kmを走っているので道迷いは無いはずであったが、強い雨に加えて霧まで発生。霧は次第に濃くなり、気付くと行き止まり。数百メートル引き返して何とか管理道路に戻った。いくら自動車が少ないとは言え、このコース設定は深く反省。また、100均の合羽ズボンの膝下を切ってランパンの上から履いていたが、合羽ズボンで太腿の皮膚が擦れて真っ赤に腫れ上がってしまった。まったく余分な装備でこれまた反省。時間ロスもあって21km地点の園家山キャンプ場には1時45分くらいに到着。すぐ傍の豚舎からの悪臭に鼻が曲がりそうであったが、屋根と電灯のある水場は有り難かった。賞味期限が切れているパワーバーチョコレート味で補給。ハーフマラソンの距離を走り終えても、行程のたった5分の1に過ぎない。トイレを済まし県道2号線へ。雨も小雨になり、街灯の有り難さにしみじみであった。黒部川を渡って黒部市へ入るとすぐに名水マラソンコース、クラブ対抗駅伝で担当した6区区間でもありほんの7ヶ月前の昔話。27km地点のローソンでコンビニの便利さに原始人並みの感動(笑)。名水マラソンコースを逆走する形で石田浜へ。第2チェックポイント、石田フィッシャリーナ前を3時10分頃に通過した。


■(3)第3ステージ 〜ほたるいかミュージアム 44km地点
石田浜から県道1号へ。昨年第1回の湾岸UMで食べたコンビニ・ポプラの巨大おにぎりを楽しみにしていたら、何とポプラ石田店は夜間営業していない。どうやらポプラはヤマザキデイリーと同じく24時間営業契約不要のコンビニと判明。残念ではあるが夜休むことは人間として当たり前。布施川を越えて魚津市へ。橋の上でバックパックにハンドライトを仕舞う際に色々落としてしまい、始末してる間にJNさんTETEさんが先行。慌てて追いつこうと蜃気楼ロードまで出るが二人は見当たらず。そのうちにTETEさんから電話、経田漁港の東側で待っていてくれたらしく、逆に自分が先に来ていると判明。埋没林博物館前のサークルK(約36km地点)で合流することにする。もう4時であり、明るくなっても良いのだが、まだ暗くて漁船の灯りだけが煌々としていた。温かい缶コーヒーを飲みつつ2人を待てば次第に夜明けらしくなり、再スタートしてから補助港付近ですっかり明るくなった。ここでTETEさんが少しペースアップ、第3チェックポイントのほたるいかミュージアムで落ち合うことにした。魚津水族館前を過ぎ、早月川を渡って滑川市。今回はほたるいかマラソンコースの旧道には入らず県道1号をそのまま進む。サークルKでおにぎり2個とオレンジジュースを買い、44km地点のほたるいかミュージアム裏で大休憩。ふやけた足をタオルで拭き、新しいソックスに履き替える(ここでアディダスのサポーティングソックスに換えたのが失敗であった)。JNさんは豆がつぶれそうになっており、まだまだ長いこの先が心配になってきた。


■(4)第4ステージ 〜浜黒崎キャンプ場 50km地点
滑川からは何度も走った海沿いの道であり何となく気が楽である。水産加工の店が立ち並ぶが、今日は働いている人が少ない。ほたるいかシーズンが終わり土曜の早朝の仕事はすっかり減った様である。高月から上市川を渡り、いよいよ7市町村目となる富山市に突入。いつもの(笑)水橋中村のサンクスで休憩、何故かこの店ではいつも店員さんと○○(←過去はここに魚津や黒部)から走ってきたよの会話になるが、流石に今回の「新潟から」には本当に驚いていた。常願寺川を今川橋で渡りサイクリングロードへ。今回の中間点となる浜黒崎キャンプ場に7時前に到着。富山湾岸ウルトラマラニックの中間点が、立山登山マラニックのスタート地点であるのは何かの縁だろうか? 後方を振り返ると走ってきた海岸線を見渡せる。しかし前方にもこれから走る50kmのカーブが優美に描かれている。


■(5)第5ステージ 〜県営渡船乗船 70km地点
岩瀬に入ると青空も見える様になってきた。岩瀬浜駅前のサークルK(クラブ員のHさんのお店)で補給休憩。TETEさんは新しいソックスを購入。早朝勤務のHさん、そして、タイミングよく現れた出勤途中のHASさんから激励を受ける。何とも嬉しいものである。7時45分出発。岩瀬市街を抜け国道415号で右折、神通川を渡り草島四方地区へ。日差しが出始め気温が上昇、3人とも合羽を脱いだ。セーブオンでこれまた賞味期限切れのパワーバーバナナ味をお茶請けにコーヒーブレーク。ここまで走った距離は約60km。残りフル1本と考えるとシンドイが、ハーフ2本と考えると不思議に元気が沸いてくる。50kmコースを走るメンバーも富山駅をスタートしたはずである。頑張ろう。四方小学校前から射水線跡道路に入る。時々出現する車止めでジグザグ走行を強いられる。これが何度も続くうちにジャブの様に効いて何とも言えない疲労感。さらに射水市に入って間もなく両足に不思議な痛みが出てきて速度をキープできなくなり、火力発電所近くで二人に付いていけなくなる。二人に遅れること数分、70km地点の県営渡船の堀岡乗り場へ9時半過ぎに到着。9時37分発の船にちょうど間に合い、無駄な待ち時間も無く、5分の船旅を楽しんだ。新しい橋が出来ればこの渡船も廃止になる。



■(6)第6ステージ 〜雨晴海水浴場 81km地点
越ノ潟で下船、海王丸パークで一休み。JNさんは足のマメが破れて結構危険な状態でカットバンで養生してもらう。もしかしたら50kmコースのメンバーが追いついてくるかも?と大休憩にするが、電話が入ってこちらの予想よりも遅れていることを知り、10時半前に出発。道なりに新湊漁港へと進むが、やはり足の痛みは引かず、奈呉の浦大橋を渡る頃に再び二人に遅れてしまう。JNさんもマメの具合が悪いのか、TETEさんが先行し3人が200mくらいの等間隔で離れて走る形になる。庄川を渡って何とか高岡市に突入。小矢部川を渡る伏木万葉大橋でJNさんに追いつくも足の痛みはますます悪化。橋の上にある家持の歌碑を読みながらしばし歩くことにする。伏木側に渡り前山冷菓でソフトクリーム、甘さと冷たさが嬉しい。足は痛いが美味い(笑)。国分から雨晴海岸に入り、氷見の海岸線がいよいよ近くなる。雨晴駅を過ぎて氷見線の踏切を渡り、アリーナを過ぎて雨晴の海水浴場で81km。残す距離はハーフマラソン1本分である。しかし足が余りに痛く、二人に先に行ってもらって少し休むことにする。ここでこの足の痛みの原因は「サポーティングソックスのせいか?」と疑って、安物の薄いソックスに交換したところ、足の痛みがウソの様に消えてしまった。



■(7)第7ステージ 〜氷見市阿尾ヤマザキデイリーストア 92km地点
足の痛みの原因が故障や疲労ではないことが判明し、精神的に大回復し絶好調に。フルマラソン2本程を走ったとは思えないくらいに脚が軽く感じられ、海岸沿いの管理道路で先行する二人に追いつく。島尾海岸からいよいよ氷見市に突入。島尾駅前から氷見市植物園前へ。12時半を回り昼食の相談。コンビニ補給にはもう完全に飽きたと言うことで、うどん屋かラーメン店に入ることに決定。その直後、突如としてJNさんがスパート。仏生寺川を越え、氷見漁港を越え、TETEさんと必死に付いて行く。JNさんは氷見の道の駅「海鮮館」に入っていった。聞けば頭の中が「うどんうどんうどん」で、一刻も早く食べたく自然と足が前に出たとのこと(笑)。海鮮館の中のうどん店で昼食。味はともかくコンビニ以外の食事の有り難さが胃袋に染みる。13時20分に出発。15kmコースを走るKMさんから氷見駅を出たと電話が入り、海岸沿いでしばし待ったが合流できず、そのまま阿尾に向かうことにする。旧道に入ってすぐ、万葉健友会のbluemoonさんがいらして応援を頂く。14時に最後のチェックポイント、阿尾のデイリーヤマザキに到着。さらにJUNKさんがゴール方向から走ってやってきた。残すは10kmのみ!



■(8)最終ステージ 〜ゴール石川県境 102km地点
JUNKさんの伴走で最終ステージも元気に走る。しかし国道160号線は歩道の無い区間が多く、先日も自転車の女性が死亡する事故が起きている。徹夜で走っているので注意力は絶対に落ちている。後方からの車の音に注意して慎重に走るが、バスやトラックの大型車が自分達の右横スレスレを猛スピードで走っていく。ドライバーの立場からすれば、こんな所にランナーが居るなんて想像できないのは当然ではある。小境の海水浴場で一旦歩行休憩を入れ、最後の難所であり今回のコース唯一の自然地形によるアップダウン、九殿浜の山越えに取り付く。JUNKさんの「ここを越えればあと2キロです」の励ましは実は大嘘で、峠を越え海沿いに戻っても県境までは4キロである。虻が島を眺めつつ、女良小、灘浦海水浴場、女良漁港を過ぎると、今夜の宿「ゆうなぎ」前を通過。いよいよゴールまで1キロちょっと。再び現れたbluemoonさんも伴走してくれる。県境の看板が見えているが、なかなか着かない。しかし自然と3人とも笑顔で走っている。15時15分過ぎ、ついに富山県氷見市から石川県七尾市に入り、3人手をつないでゴール。Buさん、Bluemoonさん、JUNKさんから祝福を受けて、夢の様な102kmの旅は終了した。



■(9)ゴール後〜民宿へ
ゴールの県境で記念写真を撮りつつしばし余韻に浸り、今夜の宿へゆっくりと移動開始。ゴール直前に走りながらチェックしていた(さすがAC…笑)藪下酒店で缶ビールを買い求め、歩きながらの祝杯。好きで100km走っておいて「もう走らなくて良いんですねー」などと馬鹿な会話に大笑い。走ってきた海岸線は空気が澄んでいたなら出発地点まで見渡せたはずであるが阿尾から向こうは水蒸気で何も見えない。見えない海岸線を想像していると、走り切った実感がじわじわ。民宿ゆうなぎさんに到着し兎に角まずは入浴、擦れた皮膚にお湯が沁みるが天国であった。部屋に荷物を置き、今度は女良漁港近くの澤田酒店(これまたチェック済み…笑)にビールを買いに行く。防波堤に腰掛けて海風を感じながら飲むビールは最高であった。50kmのメンバーも到着。皆素晴らしい笑顔であった。


■(10)盛り上がった宿泊懇親会、そして解散
ゆうなぎさん1階の宴会場で懇親会。魚介類は凄まじいボリュームでこれ8人前?と思える刺身が4人前だったり、もう終わりだろうと思えば焼き魚登場と、食べても食べてもこれでもかと出てくる大サービスであった。参加者は50km100kmを走り切った充足感と達成感でそれぞれ話が尽きず、、、自分は寝不足と疲労と酔いで途中で気絶してしまった。自分を除く全員がサッカーワールドカップ日本vsオランダ戦をテレビ観戦しつつ、さらに盛り上がった様である。翌日の朝食後、自家用車組と別れ、路線バスで氷見駅へ。からくり時計観覧などで氷見市街を散策(自分は駅の待合室で缶ビール飲みつつ朝寝)。JRにて高岡さらに富山へと移動しつつ少しずつ解散、笑顔で別れた。来年はどうしましょうか?



■(11)反省
最大の反省:荷物が多過ぎた

◎◎◎持参して良かった物
EPICのウインドブレーカー(最薄の合羽)、帽子、サングラス、ヘッドライト、携帯電話、予備の電池、換えソックス、タオル、ビニル袋、傷バン等救急セット、アミノバイタルスティック、ボルダースポーツ、ボルダーUVカット

▲▲▲持参しなくても良かった物(安心感はあった)
ハイドレーション2L、ハンドライト、GPSロガー、補給食(パワーバー4本)

×××持っていくべきではなかったもの
合羽ズボン、折り畳み傘、帽子カバー、予備の電池(8本は多過ぎ)、換えソックス(3組は不要?)、換えのTシャツ1着
※コンビニや商店の多いコースなので荷物は最小限で良かった。

肉体のトラブルの原因となった装備

・100均の合羽ズボン⇒太腿の皮膚が擦れて腫れて痛みに苦しんだ。
・サポーティングソックスで足部が締め付けられ、痛みの原因となった。ノンサポートの安物で十分。



■(12)次回に向けて
・宿泊懇親会付が条件で、湾岸コースでの開催であればとりあえずの叩き台は完成した。
・日帰りで完了する場合は逆コースが現実的

  移動 JR 富山6:32⇒高岡6:49、加越能バス 高岡7:05⇒脇8:04、県境に移動
     ※自家用車で市振に向かう手もあり。上記列車は市振5:33発。
  スタート(石川県境) 8:10
  ゴール(JR市振駅) 18〜23時想定
  移動 JR市振発富山方面行、18:52 20:04 21:05 21:33 23:20(富山迄2時間以内)
     ※自家用車で市振に向かっていればそのまま帰宅可
・湾岸にこだわるならば、七尾和倉等の能登方面スタートorゴールも面白い。

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