『第12回長野マラソン』  2010年4月18日

10回目のフルマラソンである「第12回長野マラソン」のレースの記憶を時系列にまとめた。当日の天候は快晴。スタート時は気温10℃、湿度60%、風無し。レース中、風は千曲川下流方向から吹き始めたが、気温はさほど上がらず、この日に記録を出さずしていつ出せようかと言うほどの、近年稀に見る絶好のマラソンコンディションとなった。その天候にも助けられ、幸運にも初めてサブスリーを達成できた。

※文中のLAPおよびSPLITは手元時計による計測タイム


■(0)前日
本番の明日と同じリズムで4時半に起床すぐ朝食。長野市の天候をチェック、何と積雪7センチ!ライブカメラではまだ降っている。予報は晴れだが、明日までに雪は溶けてくれるのだろうか。8時に家族を車に乗せ出発。北陸道有磯SAで家族の朝食。自分は紅茶のみ。一気に小布施PAまで移動。雪はまずまず溶けてきている。家内のリクエストでこの寒いのにトゥエルのジェラート。竹風堂の2階で昼食。須坂の田中家を観覧後、エムウエーブからビッグハットまでマラソンコースを逆に下見、積雪は皆無である。受付でゼッケンをもらいホテルにチェックイン。車載してきた自転車で善光寺へ。16時の集合前にYOKさんiskさんご夫妻と途中合流してしまう(笑)。三門でJNさんご夫妻と合流。完走祈願の参拝後、ぱてぃお大門のおやき屋。皆さんと別れ、市内をポタリングしつつ、カステラやバナナを買い求めてからホテルへ。夕食はマラソン出場者用にパスタとご飯とホテル側の気遣いに感謝。明日の準備を終えて入浴、ぐっすり眠られる様に缶ビール1本。一週間ぶりのビールは美味い。明日はもっと美味いビールを飲みたい。10時半就寝。
 iskさんご夫妻、YOKさん、JNさんご夫妻



■(1)起床〜スタート地点
4時29分、目覚まし時計より1分早く起床。缶VAAM1本アクエリアス少々を飲む。5時前に朝食、すき家の納豆朝食、チーズ1切れ+バナナ1本+カステラ1切れ+オレンジジュース。6時前には「大問題」を無事解決、6:53発の臨時列車乗車、車内でカステラ1切れ摂取。北長野駅からアクアウイングまで徒歩、歩きながらカステラ1切れ摂取。会場に到着し、陸連登録者のウォームアップ場所である競技場内へ。トラック2周ジョグ後、ウエアに着替え、パワーバー1本摂取。荷物を預け、最後の小問題を済ませ、缶VAAM+アミノバイタル粉末スティック3本+ウイダーインゼリー。これで起床後に1500〜1800kcalは摂取、全てがエネルギーになってくれれば30km分である。さらに塩飴2粒を口に含み、Bブロックに並ぶ。既に整列した選手が多く、スタートラインまで意外に遠いが許容範囲と思い込むしかない。


■(2)号砲〜5km
8:30号砲、グロス計測開始。ロスタイムは11秒程度か。陸連登録者ブロックと言えども、自分の様な鈍足ランナーも多いので1kmくらいまでは大混雑。猫ひろしが左隣に並んだかと思うとジグザグゴボウ抜きで前方に消えていった。速い。浅井えりこさんの後ろにしばし付いてフォームを観察。足の置き方が素晴らしい。最初の左折後ランナーがようやくばらけるが、陸連登録者のみならずグリーンゼッケンの一般選手にどんどん抜かれ始める。自分がペースダウンしてる様に感じて焦るが、自分のペースを信じて抜かれまくる。JRのガードを潜って長野大通りへ右折。5年前に妻子と同じ道をジョギングしたことを思い出す。5kmのLAPは21:11。ロスタイムを引けば予定ドンピシャリの5キロ21分ジャスト。ペース感覚が正確で一安心。30kmまでは5km21分ペースで走り通す戦略、まずは6分の1まで成功。
 スタートラインまでのロスタイムは11秒で済んだ。


■(3)5km〜10km
イトーヨーカドーで左折、善光寺大門への登りで右横腹が痛み出す。これはマズイ。本来なら最高に気持ち良い参道の下り、最高潮の応援の中で走らせて頂いているのにただただ痛い。駅前での右折時には真剣にDNFを覚悟した。8km 地点近くで家族発見、腹は痛いが無理矢理笑顔で手を振る。右手で横腹を押さえつつJRの跨線橋を登る。家族の応援パワーが届いたのだろうか (笑)、跨線橋を下り切ると腹痛が和らいできた。左折して信州大工学部前まで来ると腹痛は奇跡の様にケロッと治ってしまった。10km地点、LAPは 21:06、SPLITは42:17、ロスタイムと腹痛を差し引けば、上々の上、最高に近い入り方である。
 689番は淀屋橋の超人、間瀬さん


■(4)10km〜15km
10kmを過ぎ、昨日受付を済ましたビッグハット前を過ぎる。フルで最も気持ちよくなる距離帯でランナーズハイがやってくる。たまに凄い速度で前に出て行くランナーがいるが、正確なLAPを刻めているので気にならない。R18を潜って12km地点で塩飴を補給。昨日は車でエムウエーブからビッグハットまでコースを逆に走ってみたので、この先のアップダウンは頭に入っている。サンマリーン横から犀川土手に上がるとひんやりした向かい風、2年前も同じであった。35km以降も向かい風だろう。この後渡る五輪大橋を潜り、落合橋の北詰から土手を降りてすぐに15km、LAPは21:03。まずまず正確なペースは続いている。


■(5)15km〜20km
15kmを過ぎて間もなく、折り返してきた先頭集団がやってきた。トップランナー達は腕の振りや呼吸音が凄まじい。エムウエーブの周回路に入ると僅かなアップダウンと左右に振られて速度低下を感じる。少々いやらしい。まだ空腹感はまったく無いが予定通りに1本目のカーボショッツを補給、17kmの給水で流し込む。県道に戻ると大勢の後続ランナーとすれ違う。8500人は凄い数だと改めて感じる。中盤の難関、五輪大橋の登りへ。2年前も思ったが長いだけで斜度は気にならない。五輪大橋から右手を眺めれば北アルプス連山の大絶景。2年前は見えなかったのでとても嬉しく全身で爽やかさを感じる。橋を登り切った20km地点、LAP21:10、10秒台には落ちたくなかったが、エムウエーブでの速度低下と橋の登りを考慮すれば問題無いタイム、と言うことにしよう。


■(6)20km〜25km
橋を渡り切ってハーフの通過、設置された時計で1時間28分57〜59秒か?29分を僅かに切っている。サブスリーへの貯金としてはどうなのか経験不足で不明。と、道路脇の観客の方が「おお、凄い大集団が来るぞ〜」と後方を指差す。サブスリーのペースランナーが引き連れている集団か? 「他人に引っ張ってもらってサブスリーを達成して何が嬉しいのか? 自分でレースを作ってこそ価値がある。」などと不遜に思ったところ間髪入れずに天罰。料金所を超えてから路面が荒れ始める。まるで加古川右岸の路面の様に酷い。2週間前のペーランでできた左足裏のマメが痛み出す。偉そうに考えると不思議と罰は下るものである。路面が良くなるまで我慢我慢でマメの痛みと戦った。22kmの補給。塩飴と迷ったがアミノバイタル顆粒1本補給、22.5kmの給水で流し込む。R18手前で折り返すとやはり向かい風が強い。ペースダウンしたランナーが増えて、自分がペースアップしている不安に駆られるがそうではない。抜いたランナーに風除け代わりに使われるが放っておこう。昔の自分であれば数メートル横に動いてドラフティングはイヤだとアピールしたが、不埒な思いは即天罰、マメの痛みはコリゴリだ。右折して風は無くなり、25kmのLAPは21:05。
 足裏のマメが痛んだがペースは維持


■(7)25km〜30km
追い風を感じながらホワイトリングを過ぎ、更埴橋を渡って千曲川右岸、土手上は追い風が強く足がとても軽いが、反対方向となる35km以降が不安になる。2本目のカーボショッツを補給、28kmの給水で流し込む。松代大橋を潜る手前の軽い左カーブ、何と正面に「いたち川ランニングクラブ」のフラッグが見えるではないか! sakuraさん&swさんが応援に来てくれるとのことであったが、絶妙に目立つ場所に居てくれた。有り難くも嬉しい。ハイタッチして元気を頂戴する。そしていよいよフルマラソンの真のスタート地点であり、加古川に続く実験の目的地「30km」に到達。通過SPLITは 2:06:22、想定より22秒遅れているがロスタイム11秒を引けばたった11秒の遅れ、LAPは20:47、21分を切っているが特につらくもない。追い風と応援が効いた様だ。ここまでは100点満点中の99.9点である。


■(8)30km〜35km
フルマラソン真の勝負は30kmから、サブスリーは微妙であるが自己新は出せそうである。ペース維持できるとこまで気楽に行こうと、自分に言い聞かせる。高速道沿いの道は微妙なアップダウンがあり、攻略ガイドには「ふたこぶらくだ」などと書いてあった。大した坂では無いが、舐めてかからず、基本通りに登り下りでペースを調整しつつ心拍数とトータルペースをキープする。妻女山をちらりと見ながら、松代PAの高速ガードを潜り再び千曲川の土手へ。消防団がラッパで応援してくれる。御柱祭と同じ曲である。西進した分だけ北アルプスの展望は北方に開け白馬岳がよく見える。白馬三山のシンメトリーなシルエットに不思議な高揚感、やはり自分はスキーヤーである。アミノバイタル2本目補給、32km地点の給水で流し込む。岩野橋で左岸に渡ってすぐに35km地点、 LAPは21:01、幸運にもまったくペースが変わっていない。しかし予想通りに向かい風となる。しかも何度もやられているフルマラソンの壁=体内エネルギーの枯渇がいつやってきてもおかしくない距離である。


■(9)35km〜40km
多くのランナーがペースダウン、抜いて抜いて抜きまくりの状態となる。ペースアップを錯覚するが向かい風でむしろ落ちているはず。ここで周りに合わせてはここまでの頑張りが台無しになる。吹きっさらしの土手はほんの2kmの我慢である。サクラ・モモ・アンズ・菜の花は咲き乱れているが2年前の様にうっとりとは出来ず。37km給水、最後のカーボショッツで気合注入。時計をちらりと見ればこの2kmのペースはキロ4分15くらいに落ちたが、ここからキロ4半まで落ちてもサブスリーである。しかしまだ油断できない。赤坂橋から土手を降りて田園地帯に入っても向かい風は止まず。運動公園への直線路へ左折してようやく追い風となる。猫ひろしを追い抜き、40km地点、LAP21:12、通過タイム2:48:35。直線に入るまでの向かい風を考えればペースは落ちていないのに等しい。身体もまだ普通に動く。どうやら今回はマラソンの壁は来ない様だ。サブスリーを確信する。心の中でガッツポーズ。ここからキロ5迄落ちても3時間は問題無く切れる。

 ごぼう抜きの土手


■(10)40km〜42.195kmフィニッシュ
オリンピックスタジアムまでの2キロの直線、2年前はとても長く感じた。残り2キロの表示でまた計算、58分台でゴールできそうだ。先週の宴会での58分台宣言がまさか実現しようとは! スローダウンしているランナーが多い。サブスリー目前なのに可哀想に歩いているランナーもいる。ラストスパートも考えたが、ここまで来て故障ストップなんて冗談でも避けたい。ペース維持に努める。直線の終わりでJNさんの奥様が声を掛けて下さる。まだ笑えるほどに余力があり、ガッツポーズで応えて左折する。スタジアムのゲートを潜ると左側にゴールが見える。2年前と同じく柔らかい芝にちょっと足を取られて速度が落ちる。11月からずっと楽しみにしていたこのレースがもう終わるのかと何とも切なく、ゴールするのが勿体無い。サブスリー達成であるが、涙が出ることもなく、絶叫したくなることもなく、妙に落ち着いており、どうやってゴールするか考える。結局、両手を握り拳にして、両腕を真横に突き出してフィニッシュ。手元時計2:57:57、約束の58分台より早くゴールしてしまった。
 サブスリーを確信しつつペース維持


■(11)ゴール後
最後までイーブンペースで走り切れて、まだ余裕があるかとも思っていたが、フィニッシャーズタオルを掛けてもらい、RCチップを外そうと屈んだ瞬間に吐き気と眩暈。ボランティアの女の子がシューレースを解いてくれる。スタジアムから外に出て、スタート前に預けた荷物を祝福のお言葉とともに頂戴する。体育館でも懇切丁寧に誘導され、顔を洗い着替えてようやく少し復活。ボランティアの方々と会話していると、ジワジワとサブスリーの喜びが湧いてくる。長野の運営は本当に素晴らしく、会う人会う人皆とても親切である(某県の某大会主催者に見せてあげたい)。スタジアムのゲートに戻り誰か来ないかと待つ。たまたま隣りに座られた方が同じシューズを履いてらしたので声を掛け少々談話(後で淀屋橋の超人・間瀬さんだったことを知る。) 携帯でランナーズアップデートを見ると、いたち川の仲間のゴールはまだ時間が掛かりそうである。気温が低く風も冷たく、寒くてたまらない。このままでは風邪をひきそうで、薄情であるが先に上がらせてもらうことにする。シャトルバスで長野駅へ。メトロポリタンで家族と合流、昼食後すぐに富山へ。17時に自宅帰着。目出度くも夢の様なあっと言う間の1日であった。


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